【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第15回東京都美術館 ウスター美術館印象派展(2/11)

カテゴリー:その他(事務作業など)

作成日:2024/02/18(日) 19:17

皆様、こんにちは!

美術鑑賞サークルのちーです。

三連休中の2月11日(日)にサークル15回目の活動として、上野の東京都美術館にて開催中の「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展の活動を行いました。

印象派展は人気が高いことから、事前に朝イチのチケットを各自で購入して頂き、全5名で の活動となりました。

美術鑑賞サークルには初参加の方ばかりでしたが、他サークルやオフライン自習会で顔見知りの方もおり、帰り道は雑談で盛り上がることができました!
 

目次 


  1. サークルの概要 
  2. イベントの様子 
  3. 感想 
  4. 今後の活動予定 
 

1.サークルの概要 


月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!

 

2.イベントの様子


 

今回はアメリカのウスター美術館が所蔵する印象派の絵画の展覧会ということで、モネなどのフランス印象派からその前後の時代のバルビゾン派のコロー、キュビズムのブラックの絵画をはじめとするアメリカ絵画に影響を与えたフランス人画家の作品に加え、メアリー・カサット、チャイルド・ハッサム他アメリカ人が描いた印象派絵画が取り上げられていました。
 

個人的に今回一番気に入った作品がサージェント《キャサリン・チェイス・プラット》(1890)です。

サージェントは肖像画を多く描いたアメリカ人画家で、この作品は1898年に開館したウスター美術館の館長からの依頼でその娘を描いたものです。

漆黒の背景から浮き上がるような白い紫陽花をバックに、真っ白なドレスに身を包んだ女性が寒色系ベースに描かれていて、凛とした雰囲気のとても綺麗な作品です。

ですが、全体的に粗いのは、この作品が父である館長に気に入られず未完成に終わったからです。

こんなに素敵に描かれているのに一体どこが不満だったのだろう…と思わず首を傾げてしまいました。

サージェントという名前で検索すると、白いドレスを着た女性の絵が心なしか多いように見受けられました。

この作品も紫陽花の淡い紫色が白いドレスに映ったように描かれていて、光が映り込むほどの白さと透明感が見事に表現されています。

印象派らしい光の捉え方です。

 

続いてはポスターにもなっている今回のメイン、モネの《睡蓮》(1908、ウスター美術館)。

モネの数多ある「睡蓮」の連作のうちの一つですが、この作品の水面を照らす陽光はとても穏やかで、全体がパステル調の色彩で美しくまとめあげられています。

モネ晩年の作品ですが、解説に当時既に生まれつつあった抽象絵画へのモネなりのアンサーといったような説明書きがあり印象的でした。

確かに明確に形を描かない点ではモネの作品は抽象的と言えますが、睡蓮の池が鏡となって庭の木々を映し出しており、この奥ゆかしさのような点が、アヴァンギャルドなイメージの20世紀抽象画とは大きく区別されるように思いました。
 

それから、アメリカ人のチャイルド・ハッサム(1859-1935)の作品が4作品中3点が並べて展示されており印象的でした。

モネと同じくポスターとして取り上げている《花摘み、フランス式庭園にて》(1888)はハッサムがパリに留学した際に描かれた作品です。

明るく穏やかな陽射しの元にあふれんばかりの花々という、これぞ印象派という作品です。


この作品と別の章では、《コロンバス大通り、雨の日》(1885)、《シルフズ・ロック、アップルドア島》(1907)、《朝食室、冬の朝、ニューヨーク》(1911)が並んでいました。

《コロンバス大通り、雨の日》(1885)はパリ時代より前の作品ですが、雨に濡れた石畳の表現が見事で画家の力量を感じさせます。


その後のパリ留学で本場の技法を取り入れたハッサムがアメリカに帰国後に描いた作品が、《シルフズ・ロック、アップルドア島》(1907)。

秋のモネ展で見た「エトルタの奇岩」といったモネの連作を思い起こさせます。



それから《朝食室、冬の朝、ニューヨーク》(1911)。

この作品はウスター美術館が直接ハッサムと価格交渉して買い入れた作品で、複製した電報や手紙が展示されており、同時代の美術品の収集というウスター美術館が果たした役割を学ぶことができました。

また、カーテンの向こうには既に摩天楼がそびえたっている様子がうかがえます。

総じて、ハッサムは当時のアメリカならではの風景・都市生活を印象派の鮮やかな色彩で描いた作品が特徴的でした。
 

3.感想


日本ではあまり知られていないアメリカ人印象派画家の作品を知ることができました。

また初めて「トーナリズム」という言葉を知ったのですが、20世紀前後にアメリカで生まれた神秘的な風景画を指すそうです。

コローなどのフランスバルビゾン派の風景画の影響が大きく、中でもブルース・クレイン《11月の風景》(1895年ごろ)は、人の手によって開拓されたアメリカの森林を抑えたトーンで美しく描き出されていました。

画像を探したのですが見つけることができず、今後日本でも取り上げれることに期待です…


鑑賞後に感想を発表しあった際には、デウィット・パーシャル《ハーミット・クリーク・キャニオン》 (1910-16年)がアメリカらしくない!という話が出ました。

モネ風のパステル調の色彩とアメリカの雄々しいグランドキャニオン…確かに少しミスマッチな気がします。

この作品はグランドキャニオンの鉄道の宣伝として描かれたそうで、印象派風の絵画に慣れ親しんだ、当時既に恐らく年配の方々にはウケが良かったのかな…なんて想像しました。

しかし、家に帰ってグランドキャニオンの画像を検索してみると、意外にも実物の写真も夕日に照らされたような淡いカラーのものが多く、似ている!と驚いてしまいました。
 


また帰り道は、上野公園で行われていた「ウエノデ.パンダ春節祭2024」に皆で少し寄り道をしました。

2/11は2024における旧正月の元旦で、現代では中国や台湾で盛大に祝われています。

写真は会場内を歩いていたシュールな豆乳さんです…

お昼時とあって屋台周りは混雑で近寄れませんでしたが、歩きながら会話を楽しむことができました。

理系分野のお仕事の方が多かったので、勉強方法や研究内容についてお喋りしている方が多かったようです。
 

4.今後の活動予定


今後の活動予定は下記になります。

  • 3月 未定
  • 4月 SOMPO美術館 北欧の神秘展
  • 5月 東京都美術館 デ・キリコ展
 
3月は未定ですが、4月は北欧の近代絵画を取り上げたSOMPO美術館の北欧の神秘展、5月は不思議な抽象絵画を描いたデ・キリコの大回顧展を見に行く予定です!