【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:国立西洋美術館リニューアル展(7/17)

カテゴリー:その他(事務作業など)

作成日:2022/07/30(土) 14:34

皆様、こんにちは!美術鑑賞会のちーです。

7月17日(日)にサークル6回目の活動として、「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」を鑑賞に行きました!

 当日は7名と今までで一番多い参加者で、感想などもお話しする事ができました。

リニューアル展の感想


国立西洋美術館所蔵のモネをはじめとする印象派作品をメインに、ドイツのフォルクヴァング美術館よりフランス印象派と、ロマン主義のフリードリヒ、現代アートのゲルハルト・リヒターなどのドイツ近現代絵画の風景画がメインで展示されていました。

 改めて思ったのは、国立西洋美術館の印象派作品の質の高さです。

特にモネは睡蓮をはじめ、ポプラ並木、ロンドンの橋のシリーズといった連作がそろっており、パステル調の美しいモネの世界観が堪能できました。

 また、個人的に楽しみにしていたのが19世紀ドイツの風景画です。

やはり、フランスとは違い、急峻な山々を描いたものや、どこか冷涼な空気を感じさせるものが多く、静謐さと同時に精神が研ぎ澄まされるような、ドイツ人の国民性が脳裏に浮かびました。



 ポスターにもなっていた、ドイツロマン主義のフリードリヒ(1774~1840)の《夕日の前に立つ女性》(1818年頃、フォルクヴァング美術館)ですが、思ったよりずっと小さく驚きました。

彼の作品は、描かれた自然に宗教性を見出せる点が特徴ですが、寒冷色のものが比較的多いのに対し、この作品は温かみのあるオレンジ色で占められているのが印象的です。

宗教性というより、この小さなキャンバスから溢れ出る太陽の光の温かさ・大きさを受け止める人間、自然そのものへの畏怖が感じられました。



 また、同じく今回のメイン作品のゴッホ《刈り入れ》(1888年、フォルクヴァング美術館)は、キャプションにも、麦の刈り入れが命の摘み取り、すなわち「死」を意味することが説明されており、晩年のゴッホもその点を強く意識して描いています。

しかし、そのような主題からは正反対の、生き生きとした明るさや温かさを意外にも感じました。

ゴッホと言いますと、私はその激情を絵に感じてしまう事が多いのですが、この作品は画面全体がほとんど麦の黄金色で占められており、丸い曲線で描かれた麦のうねりや、空の点描表現がテンポよく心地良く感じられたのかもしれません。
 
その他、リニューアル展のおすすめとして、国立西洋美術館所蔵の作品が多い事から、写真撮影OKのものが多く、何だかお得な気分になりました!

フォルクヴァング美術館所蔵の作品も撮影できるものが何点もありました。


また、この日も暑かったので、ピサロの≪ルーブシエンヌの雪景色≫(1872年、フォルクヴァング美術館)【上記左】、モネの≪雪のアルジャントゥイユ≫(1873年、国立西洋美術館)といった冬景色が個人的に大変涼し気で癒されました。

他にも、フェルディナント・ホドラー≪モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン≫(1915年、フォルクヴァング美術館)、アクセリ・ガッレン=カッレラ《ケイテレ湖》(1906年、国立西洋美術館)【上記右】、クールベの波の作品など、水辺を描いたものが多く、夏にぴったりの展覧会でした。

前者2人はあまり馴染みのない画家でしたが、今回の展覧会でクローズアップされ目を惹く作品でした。

暑い夏は、美術館で涼むのにうってつけの季節です!

最後に


観覧後は希望者4人で近くのカフェでドリンクとスイーツを味わいながら、国立西洋美術館設計者のル・コルビュジエの建築の話や、坐禅をやっていた参加者の話などで盛り上がりました。
 
 次回活動予定は、コロナの状況により9月以降を考えています。

サークルメンバーでなくても、東京自習会に登録の方ならイベントごとの参加が可能ですので、お気軽にご参加ください。

Slackのサークルチャンネルにご参加いただきますと、活動前に時々、展覧会の簡単な解説を共有したりなど行っています!